ペルソナ/シナリオ法のワークショップに参加しました
1月23日(土)にトライデントコンピュータ専門学校さんで催された情報デザインのワークショップに参加してきました。
前回の以前の情報デザイン勉強会でご講演いただいた横浜デジタルアーツ専門学校の浅野 智先生に、「ペルソナ/シナリオ法」についてお話していただきました。
今回は、前半に講義を1時間半程度うけ、後半は参加者5、6名でグループにわかれて実際にペルソナ/シナリオ法を体験してみる、というワークショップ形式で開催されました。
ペルソナ/シナリオ法の講義
講義は、HCDプロセスについての前回の勉強会の復習+ペルソナ/シナリオ法についてのより詳しいお話、という内容でした。
まずは、ペルソナ/シナリオ法の具体的な手法の前に、前回の勉強会の内容を踏まえた復習として、以前のレポートで書いたこと以外で気になった点を書いておきます。
- ペルソナ/シナリオ法の概要
- ここ3年ぐらいで普及しつつあるマーケティングなどでよく用いられる手法
- これといって決まった方法はない
- 「ペルソナ/シナリオ法を使うだけでいいものができる!」はまちがい
- なぜユーザ像を明確にするのか
- 商品の評価は使う人がするもの
- ユーザ像をメンバーで共有する必要がある
- 不明瞭なユーザ:ユーザは開発者自身(一方では必要なことだが)
- 厳密なペルソナ:ユーザはペルソナ
- Goal-Directed Design (目標主導型設計)
- ペルソナが目指すゴールを決める
- ゴールまでのシナリオを考える
- 「優れた開発者ほどユーザのことを考えながら作らない」
- 基本なこと:ユーザのことだけ考えているとイノベーションは生まれない
- ユーザを要所要所に参加させる(ユーザ参加型デザイン)ことで、穴を埋めていく
- 文化の違いによる問題点
- 日本:高コンテキスト社会
- 行間を読む、空気を察する、など
- ペルソナ法が浸透しにくい
- アメリカ:低コンテキスト社会
- はっきり示さないと伝わらない
- 常に頭の中身を具体的に外に出す(外化)習慣がある
- 刑事物のドラマで「壁一面に犯人のことを書き出して悩んでる場面」ってよくあるよね
- 日本:高コンテキスト社会
- ペルソナ/シナリオ法の利点
- ユーザ情報の理解の促進
- コラボレーションの促進
- 一貫したユーザ評価
- ペルソナを基に評価ができる
- 「ペルソナはそんなことしません!」
そして、前回よりも詳しくペルソナ/シナリオ法の具体的な手法について説明されました。
- インタビューの手法
- ペルソナの作成には非構造化インタビューを利用
- 2種類の非構造化インタビュー
- デプスインタビュー
- 根掘り葉掘り詳しく聞く方法
- 例:心理カウンセラー
- エスノグラフィックインタビュー
- 現地の人に対象のものを実際に触りながら聞く方法、、Web制作ではこちら
- 例:グルメインタビュー
- デプスインタビュー
- 対象者自身は問題や不都合に気づいていないため、よりよいものを使ってもらい比較させることで発見を促す
- 問題シナリオ作成時の留意点
- サマリ報告ではなく、「生っぽさ」を失わないこと
- 行動のステップを描写すること
- インタビューで実際に使われた言葉を効果的に利用するとよりよい
- KJ法でまとめるときのポイント
- ポストイットには「動詞(〜する)」で書いてまとめるとわかりやすくなる
- シナリオを書くときのポイント
- キャッチフレーズをつけるとイメージしやすくなる
- シナリオの種類
- アクティビティ・シナリオ:やることを書いたシナリオ
- インタラクション・シナリオ:やったことを書いたシナリオ
- 相互に変換したり、かき分けるとユーザの行動がわかりやすくなる
前回同様、実践されている写真を交えた大変わかりやすいお話で夢中で聞いていました。
この後、今学んだばかりのやり方を早速実践!ということでワークショップがはじまりました。
ワークショップを通してわかったこと

今回は上図のような課題が与えられました。(浅野先生のブログ記事からお借りしました。)
ワークショップの様子は浅野先生のブログのレポートをご覧になると雰囲気がつかめるかと思います。
今学んだばかりのものをいきなりやってみている上に、時間がないのでもう必死でした。
そして、実践するとやはり思っていたものと実際は全然違いました。IA100を読んだりしてなんとなく頭にあったものの、2人分インタビューして、ポストイットに書いて、まではなんとか手探りでやったのですが、そこからKJ法で分類するのが難しい。「インタビュー数が少ないと後が大変」と先生がおっしゃっていたのはその通りで、2人分の結構対照的なことが書いてあるポストイットをうまくまとめ上げるのは苦労しました。
個人的な反省点は、課題である醤油への本質的欲求をしっかり意識してまとめる作業することが作業に必死で結構頭から離れていたことです。
完成したペルソナとシナリオを見ると、解決への道(=醤油を意識したペルソナとシナリオ)が見えにくいなぁと感じました。インタビューする上で、ユーザが醤油に対してどのような欲求や考えがあって行動に繋がっているのか、をもっと意識していればよかったのかなぁと。
「ペルソナは諸刃の剣」であることを実感しました。ペルソナが的外れなものだと、その上に積み重なってくるものがすべて破綻してしまう、素人には危なすぎます。うまいペルソナをつくるにはとにかくいっぱいペルソナつくって経験を積む必要があることを身をもって感じました。
そういった意味で、浅野先生の要所要所のアドバイスは本当に的確で勉強になりました。きっと、こういう経験が豊富な方に師事して経験を積んでいくのが一番の近道じゃないかなぁと感じました。
できあがったペルソナやシナリオってどう評価すればいいの?
ワークショップを通して思った疑問です。
経験が大きなウエイトを占めそうなペルソナ・シナリオ作りにおいて、完成したものが「どのくらい10%のユーザを表現できているか」を定量的に評価できる方法ってあるのかなぁ。
こんな感じで、4時間ぶっとおしてすごく疲れたけど、まさに身をもって学ぶことができました。
もっとうまく作れるようになりたい!経験したい!と思いました。浅野先生、そして今回のワークショップを開催していただいたトライデントの河口先生、本当にありがとうございました。
認識が違う部分がありましたらぜひつっこみお願いします。