WCAN 2009 WINTER レポート

画像 : WCAN 2009 WINTER

12月19日にWCAN 2009 Winterがありました。今回は前半に名古屋のWeb制作会社のみなさんが1年を振り返り、後半はここ数年おなじみの「Winterといったらこの人」長谷川恭久さんにお話していただきました。
会場はいつもの名古屋国際会議場で。参加人数は100名弱という感じでしょうか。

[SESSION-1] 名古屋のWeb制作会社2009年を振り返って
名古屋のWeb制作会社のみなさん

このセッションでは以下の制作会社のみなさんに、この2009年に力をいれたことや制作事例、気になったことなどを15分程度で取り上げていただきました。
以下に気になったことを書いておきます。

[SESSION-1A] トライデントコンピュータ専門学校学生作品紹介
水野 和弥 さん、原 亜津子 さん、堀尾 真衣 さん、河口 英生 先生 (トライデントコンピュータ専門学校)

今年のWCANから団体さんで参加されるようになったトライデントコンピュータ専門学校のWebデザイン学科の生徒さんによる作品紹介。

今回は3名の方がそれぞれのWebサイト(主にブログ)を紹介してくれたのですが、今年からWebを学び始めた学生さんということで、僕も昔のことを思い出して半分懐かしい気持ちで、半分自分もがんばらないとなぁという気持ちで聴いていました。

1点違ったのは、僕がWebサイトを作り出した頃の静的なHTMLで組んだ「個人サイト」と違って、ブログシステム、あるいはCMS(!)をいきなり導入して実践している点が今だなぁと。
また、この頃から100名規模のセミナーで前でしゃべる経験ってすごいと思います。

あと個人的には、Webデザイン学科では実際こんな勉強をしてます、という紹介が聴きたかったなと思いました。

[SESSION-1B] 広告制作プロダクションのWeb制作
長谷川 哲 さん (山崎デザイン事務所)

デザイン事務所でWebをやられている長谷川さんによる制作事例の紹介。

技術的な切り口からの視点になってしまいがちなWeb制作で、「伝えたいこと・実現したいこと」ベースでお客様の問題解決に取り組んでいる点に興味を惹かれました。
また、OS10.4にPhotoshop 7とIllustrator 10(かな)のアイコンがDockにあって、あーこの頃は軽かったな、とか思っていました。

[SESSION-1C] 今年のアップルップル 〜サイト制作とシステム開発と〜
山本 一道 さん (アップルップル)

WCANを主催されているアップルップルの山本さんによる「今年のアップルップル」
主に「a-blog cmsを支えたサービス」という話題で、あえてa-blog cmsには触れず、役だった色々なサービスを紹介していただきました。

気になったのはまいあめ工房でオーダーメイドしたオリジナル飴は案外安く作れることと、ステッカーを「ユポサクション」という素材で作るとのりも残らないので、パソコンなどにも気軽に貼ってもらえることが発見でした。

[SESSION-1D] FlexとモバイルFlashな2009!
中村 貴弘 さん (スーパーエレメンツ)

スーパーエレメンツ中村さんの「Flex 楽でした!」というお話。
FlexならインタフェースをHTML+CSS的に組むことができたりしてとても楽だよ、と紹介されていました。

また、モバイルHTMLはキャリア対応・機種対応が死ぬほど大変だが、8割以上がFlash Liteに対応しているため、モバイルサイトはむしろFlashで組む方が楽だそうです。これって色んな仕様のブラウザをキャリアごとにバラバラに作ってるからこうなったんですよね。日本はモバイルWebの標準化をキャリアで協力して真剣に進めた方が・・・。ってもうやってます、よね?
一方、iPhoneやAndroidではHTML5が期待されているのでした。

[SESSION-1E] 新ブランド構築の軌跡
古庄 正尚 さん (モンキーワークス)

WCAN x CSS Nite 2009 SPRINGでもお話いただいたモンキーワークスの古庄さんによる、ブランディングの話をぎゅっと濃縮したお話。

モンキーワークスでは、とにかくヒヤリングに時間をかけていて、しつこいくらいのヒヤリングによってお客様の「言葉を引き出して」コンセプトワークにあたっているそうです。
あくまでも「企業様のブランドイメージの確立をお手伝い」することが我々の仕事だとおっしゃっていました。

[SESSION-1F] a-blog cmsを使ったcmsとLPOとFLASHとの連動を実現
増田 悟さん (マール)

マール増田さんによる制作事例のお話。JUNIOR【ジュニアー】というサイトがどのように作られているかに焦点を絞ってお話されていました。

このサイトではa-blog cmsをおもいっきりカスタマイズして(CMSの部分を)ほとんど1人で構築されているそうで、Flashとの連携やLPOの実現などを説明していただきました。
a-blog cmsのパワーが分かる好例であると思いました。

[SESSION-1G] 2009年実績とちょこっとプロジェクト事例
岩田 玲 さん (アクアリング)

アクアリングの岩田さんよる2009年の実績紹介。名古屋グランパスの公式サイトを手がけた際のプロジェクトワークについて具体的にお話されました。

古庄さんのお話とも繋がるのですが、岩田さんは「要件定義とサイトのゴールの間を埋めるものがコンセプトワーク」であると展開し、ものすごくエネルギーを使って作ったコンセプトは、制作でのあらゆる場面での方向性決定の指針やモチベーション維持につながるとおっしゃっていました。

6つのお話を聴いて思ったこと

正直、どの制作会社も2009年に手がけたプロジェクトワークの紹介を淡々としていくのではないかと思っていたのですが、このセッション全体で制作現場に関する様々な面が1つにまとめており、大変バラエティのとんだ興味深いお話を聞くことができました。しかも教育現場まで網羅しているという。とてもおもしろかったです。

そしてすべて名古屋のWeb制作会社なところがいいですね ;-)

[SESSION-2] 2010年に飛躍するための7つのキーワード
長谷川 恭久 さん (could)

ヤスヒサさんによる2010年(というかこれからのWeb)で注目すべきキーワードと、それに自分を対応付けていくためのプレゼン(鼓舞)、というありがたいお話。いや、ホントに重要なお話だと思ったのです。

まずはポイントとなる7つのキーワードについて僕なりにお話をまとめてみます。

  • OSの多様化
    • OSらしいソフトを作るためのガイドラインが存在
      • 使いやすさのヒントはOSにある
    • ニーズに合わせたハードとOSの開発が広まっている
    • OSの特徴を活かしたデザインの提案が重要
  • リアルタイム
    • 時間がなくて忙しいから広まった
    • 人は今すぐの反応を期待し、「今」を楽しむようになった
      • リアル感を感じるのに貪欲になっているのでは
    • ビジネスにおいてもリアルタイムは将来必須
      • これを実現できる部署がないからできない
      • Twitterのようなコンセプトだけがリアルタイムではない、ということに注意
  • Eco・IT
    • ITとEcoは切り離せない
    • 情報の透明化=ブランド
    • 企業/個人のエゴでおわらない
  • トラッキング・アラート
    • 必要なときだけ丁度良い情報提供が重要になってくる
      • 顧客との新たな関係
    • 企業はサービスプロバイダー
  • 情報発信の民主化
    • 情報発信のコストは限りなくゼロに
    • リアルタイムなコンテンツ発信へ
  • アウトソーシング
    • ユーザテストの低価格化
      • 何でも自家製にする必要はない
    • 柔軟性が今後の鍵
  • 情報のポータブル化
    • データはよりコンパクトへ
    • データとデータがつながり始めている
      • (情報の賞味期限を表現している)マークアップが重要

体系的にまとまっていますが、やはり我々が知りたいのは「具体的にどうすればいいんだろう」とうことです。それについていくつか具体的なお話をしていただきました。

たとえば、マークアップでは、マークアップと表現のバランスに注意して1ページ1テーマ・なるべく絞ることを意識したり、他サービスとの連携[1] などの工夫をする。また、ページだけでなく情報をデザインする意識でいること、などを挙げられました。

また最後の方に軽くおっしゃっていた、Webの特性を活かすこと、例えば典型的な特徴がコピー&ペーストなのに、必要な情報が画像(容易にメモやスケジュールに記録できない)、などは避けることが重要というのは、簡単なTipsですがなるほどなぁと思いました。

「みんなのWebに対する考え方が変わってきている」

ヤスヒサさんは最後に「みんなのWebに対する考え方が変わってきている」とおっしゃりました。僕も最近そういうことを考えていたので本当にハッとしました。

(ここからレポートというか自分の話です。)

2009年かどうかはわかりませんが、(特にこのブログを見ていただいている方なら)昔と比べてWebとの向き合い方、平たく言えば使い方が変わってきたと思いません?
例えば、

  • 「昔より頻繁に検索するようになった」感覚
  • 「探す行為=検索する行為になっている」感覚
  • 「検索できる(検索するための)デバイスを持ち運んでいる」
  • 「ブックマークの巡回からフィードリーダの閲覧になった」
  • 「検索すらしなくなって、わからないことはとりあえずTwitterでつぶやいてみるようになった」
  • 「探していたものがより速く、リアルタイムで得られることが多くなった」感覚
  • 「フィードよりも誰かのつぶやきから日々の最新情報を得るようになっている」感覚
  • 「誰かの知識をうまいこと抽出して自分の知識にできるようになった」感覚

なんかこういうのありませんか。
記憶はWebをはじめとした情報端末に外部記録化されている感覚になっていて、必要に応じて検索やTwitterから得るようになっている。ラクしている。自分で覚えていることは断片的なキーワード(例えば検索のクエリのような2, 3単語)だったりしていませんか。

もしもこのような新しい感覚にみんながなっているとしたら、検索を通じて探すものはページではなく情報[2]になってきているという流れも確かにそうだと思えないでしょうか。

そして、ここ2, 3年で加速しているようなそういう新しい感覚がよくわからないとしたら。やばくないですか。今わからないと今後確実についていけなくなる気がします・・・。

長々と書いてしまったのですが、何が言いたいのかというと、「みんなのWebに対する考え方が変わってきている」ことが現実に起きているとしたら「自分もその考え方を把握していないと飛躍以前の問題になるかも」という危機感を僕はここ最近ずっと感じていて漠然と考えています。
多分、把握するためには、最新のものに常に触れている状態でいることが重要じゃないかなぁと思っています。そういう話を忘年会の最後にヤスヒサさんと少しだけしていました。

(自分の話ここまで。)

そういった意味で、70ものサイトを紹介されたヤスヒサさんはどうやって情報を仕入れているのかなぁと思って聞いてみたところ、一般的なニュースサイトはあまりみない、海外のそういう情報をまとめているところをチェックしている、チェックするツールは普通のもの(NetNewsWire?)、などというヒントが・・・。ぜひもっとお聞きしたいです!

今回のお話は2010年じゃなくても、もう少し先にすごく生きてくるお話だったんじゃないか、感じたのでした。

忘年会

冬のWCANのメインとも言われている忘年会ももちろんありました。場所はいつもの国際会議情の展望レストラン パステルで。

まずはじめに、事前に募集されていた2010年のWCANのロゴが、勉強会での3組による決選投票の末決定しました。
決まったのはセッション1でも前で作品紹介していたトライデントさんの堀尾真衣さんのロゴでした!おめでとうございます!

僕も1点応募したのですが、かすりもしませんでした。笑

画像 : 応募したWCAN 2010のロゴ

こんなの。あえてこれまでになさそうな色を選んでかっちょよく作ってみたら、決選投票の3つはすべて一代目ロゴの4色でかわいらしい感じのが選ばれていました。完全に読み違えた・・・。

で、忘年会では学生の方が多く参加されていたのでお話させていただきました。とても楽しいのですがやはりいつもあっという間ですね。もう1時間長かったらいいなぁ。
今年も大変お世話になりました。おそらく名古屋にいてWCANに参加できるのは次のSpringで最後でしょうか。とっても寂しいです。

  1. 他につながる手段を提供するということ? [back]
  2. CSS Nite LP7でヤスヒサさんもおっしゃっていました [back]

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